暑い日の週末や連休になると、シュノーケリング中の水難事故に関するニュースが多くなります。水難事故のニュースは、海で遊ぶことが大好きな自分にとってとても嫌なニュースです。
サーフィン人口は200万人~300万人いると言われていますが、サーファーの事故よりも圧倒的にシュノーケリングの事故が多い気がします。なぜシュノーケリング事故はこれ程多いのでしょうか。
誰でも気軽にできる
よく言われているのが、コンビニやホームセンターで安価に販売されているマスクとシュノーケルがあれば遊べてしまうことです。知識の無い初心者でも気軽にシュノーケリングにチャレンジできることが事故に繋がっている可能性があります。気軽に遊べることが悪い、とは思っていませんが、最低限でもシュノーケルとマスクの正しい使い方を勉強し、潮の流れや天気の知識も得ておかないとアクシデントが発生する確率が高くなります。また、素潜り・スキンダイビングと違ってシュノーケリングは水面に浮いた状態で楽しむものなので、ライフジャケットを使えばトラブル発生時の生存率は上がります。
初めて遊ぶ時は、遊ぶ前にインストラクターや上級者にしっかり教わってから遊ぶことが望ましいです。
因みにシュノーケリングとスキンダイビング(素潜り)は違います。シュノーケリングは水面に浮いて海中を観察する遊び。スキンダイビングは無呼吸で水中に潜って遊びます。ライフジャケットを着用していたらスキンダイビングはできません。
泳げると勘違い
シュノーケリングで怖いのは、泳げない人でも泳げるようになったと勘違いしてしまうことです。泳げない人でも正しい知識があれば安全に楽しめるのがシュノーケリングの良いところ。
しかし考えてみてください、泳げない人が足の着かない深さの海で万一のことがあったらどうなるか。
・足がつった
・クラゲに刺された
・知らぬ間に流されていた
・シュノーケルに海水が入った
・マスクに水が入った
初心者はシュノーケルに海水が入り、海水を吸ってしまっただけでパニックになり溺れてしまうかもしれません。
ライフジャケットがあればすぐに溺れ死ぬことが無いので生存率がかなり上がります。
ただし人気の無いところで一人でトラブった場合、誰も助けてくれないし通報もしてくれません。
健康の問題や運動不足
シュノーケリングはさほどハードな運動ではありませんが、日頃全く運動していない人にとって”海”と言う人が生活でいない領域で遊ぶことは誰にとっても多かれ少なかれリスクはあります。
普段運動していない人が慣れない環境で身体を動かすと言う事は、思ってる以上に身体に負担がかかります。また、本人も気づいていなかった隠れた疾患がトラブルを招く恐れもあります。シュノーケリング中の水難事故で圧倒的に多い事故が溺水。次に多いトラブルが離岸流に流されたりして戻れなくなる帰還不能、その次が病気です。
若い人はさておき40代位~で、日頃運動していない人は自分の身体のことを良く知っておくべきです。
特に高血圧の人は要注意。降圧薬を服用している場合、副作用についても調べておく必要があります。
自信過剰は禁物
海遊びに慣れている人でも自信過剰は禁物。それを分かっていても、遊んでいるうちに大丈夫だろう、と言う気持ちが強くなってきます。
万一流されたら
もし流されてしまったら、兎にも角にも冷静になることです。基本的に強い流れに逆らって泳ぐことは避けるべきです。帰還不能は離岸流に流されるケースが多いと思いますが、離岸流は流れの進行方向の横に泳いで回避するのが基本。川で流された場合は、海以上に危険です。まずは上流が頭になるような体制で仰向けになり、膝を曲げて力を抜いて様子をみます。助けを待つか、岸の方に向かって泳げそうになったら脱出する方法もありますが、浅瀬で立ち上がろうとした時に流れで倒されたり、岩などに身体をぶつける危険があります。
風にも注意
流される=離岸流、だけではありません。風に流される可能性もあります。特にSUP+シュノーケルで遊ぶ場合、陸から沖に向かって吹く強い風に流されると離岸流より厄介です。
シュノーケリングは安全で気軽に遊べますが、それは基礎知識があっての話です。
シュノーケリング中の事故が少しでも減ってくれることを願っています。