平成から令和へ、沖縄本島の経済はどうなる?

来年は東京オリンピック開催年。日本経済は五輪ロスの影響を受けるか受けないか注目されていますが、仮に景気が落ち込むとしても、五輪ロスはあまり関係なくもっと他の要因が絡んだ結果になるのだと思います。沖縄県の景気は好調に推移しており、全国的に見ても好況といえます。

今後の沖縄経済は?

りゅうぎん総合研究所が発表した2018年度の県経済動向によると

入域観光客が過去最高となり好調に推移したが、台風や暖冬などによる季節商材の減少で一部に弱い動きが見られた。

消費関連
百貨店の売上高が前年度比2.3%増、新車販売台数は同7.1%増。となった。スーパーの売上高は台風や暖冬の影響で既存店比で同0.8%減、電気製品卸売販売額は夏の気温が低くエアコンが減少したことなどから同2.7%減。

建設関連
沖縄振興予算が前年より減ったことで国や県発注の工事が減少、公共工事請負金額は前年度比22.6%減。新設住宅着工戸数は貸家が減少して同4.6%減。建設受注額はホテル新築工事の受注が相次いぎ同29.8%増。建築資材関連は公共工事向け出荷減少でセメントが同6.8%減、生コンは同4.1%減。木材は住宅関連工事の需要活発で同7.9%増、鋼材は0.6%増。

観光関連
県内主要ホテルの稼働率が前年度比0.2ポイント減の79.8%、売上高は同1.9%減。那覇市内ホテルの稼働率が前年度と同水準、売上高、宿泊収入、客室単価は前年を上回る。主要観光施設入場者数は前年度と同水準、ゴルフ場入場者数は同3.2%減。

雇用など
就業者数は運輸業や郵便業で減少、建設業や医療福祉で増加し、失業率は前年度比0.5ポイント増の3.1%と改善。新規求人数は同1.9%増、有効求人倍率は前年度の1.13倍から1.18倍にUP。倒産件数は前年度と並んで過去最少の43件。

出典元:りゅうぎん総合研究所

今後の開発目白押し

平成から令和になりましたが、平成から引き継いでいる工事や、これから進められるプロジェクトが多数あり沖縄の開発は止まる気配はありません。

那覇空港第2滑走路

2020年3月には那覇空港に第2滑走路が完成し運用開始されます。第2滑走路を使用する飛行機は第1滑走路を横切らなければならない問題もありますが、それでも沖縄への観光客はさらに増えるでしょう。

セブンイレブンが沖縄に上陸

セブンイレブンが沖縄に上陸します。それに伴い浦添市にセブンイレブンのデイリー商品工場が今年の夏に完成します。デイリー商品は調理パンやお惣菜、サラダ等。

沖縄 セブンイレブン進出

サンエー浦添西海岸パルコシティ

6月27日にサンエー浦添西海岸パルコシティがオープンします。店舗面積約60,000㎡、250店舗のテナントが入る沖縄最大の商業施設が入ります。

PARCO CITY

沖縄県浦添市に2019年夏オープンの商業施設「PARCO CITY」の公式サイト。沖縄初出店・エリア最大級をはじめバラエ…

ホテルコレクティブ那覇

台湾の嘉新水泥(嘉新セメント)が進めているのはホテルコレクティブ那覇。客室数は260室位、国際通りに面した好立地な場所に今年の秋にオープン予定です。

ハレクラニ沖縄

今年の夏に恩納村に開業するのはハレクラニ沖縄。ハワイの高級ホテルが沖縄に進出です。恩納村はホテル激戦区で、去年はハイアットリージェンシー 瀬良垣アイランド沖縄がオープンしたばかりです。

天国の名にもっともふさわしい楽園へ | ハレクラニ沖縄【公式】

ハレクラニ沖縄は、恩納村の美しい海岸線でラグジュアリーの新時代を切り拓くホテルです。ハワイで100年以上の歴史あるホスピ…

グランヴィリオリゾート沖縄(仮称)

大宜味「結の浜」にルートインジャパンがリゾートホテルを2019年度以降に開業予定です。客室200室、大宜味村初の大規模ホテル計画です。

沖縄豊崎タウンプロジェクト

沖縄県初の水族館を併設した大型複合商業施設、約170店舗が出店予定。水族館はDMMかりゆし水族館、コンセプトは最新の映像表現と空間演出を駆使した新しいカタチのエンタテイメント水族館

瀬底島に森トラストとヒルトンのリゾート計画

瀬底島で以前建設途中で頓挫した巨大ホテルプロジェクト。そこの跡地に森トラストとヒルトンが約100万坪のホテルリゾートを開発。2020年にはホテル、翌年には長期滞在型のタイムシェア・リゾートを開業する予定で、両方の客室合計は432室になります。

瀬底島に森トラストとヒルトンのリゾート計画

アポガマ近くに恩納通信所跡地にリゾート計画

恩納村のアポガマ近くにフォーシーズンズとベルジャヤが総開発費443億円のリゾート計画。

PIC琉球ホテルアンドリゾート

沖縄本島南部の名城ビーチに、グアムでも有名なパシフィック アイランド クラブによる巨大ホテルプロジェクト。2022年開業予定で、が日本に進出、全452室規模の大型リゾート

北谷ハーバーホテルプロジェクト、星のや沖縄等まだまだ多数のホテル計画があります。その他今帰仁村の沖縄北部テーマパーク構想、本部港の国際旅客船拠点形成計画、本島北部あるいは離島にDFS(免税店)出店を視野に入れていると報道。また、コストコも沖縄進出を検討しているらしく、コストコホールセールジャパンが南城市に出店を検討している意向を伝えていると報道されています。

2020年夏の世界自然遺産登録を目指す沖縄島北部

沖縄北部、奄美大島、徳之島、西表島の世界自然遺産登録を目指しています。去年一旦推薦を取り下げていましたが、米軍北部訓練場跡地をやんばる国立公園に編入した上で2020年夏の登録に向けて推薦書を再提出するそうです。世界遺産に登録されれば、沖縄本島北部の魅力が世界に発信され、地域の活性化やより自然保全活動が活発になり、開発からから手付かずの自然を守る意識も高くなるはずです。特に沖縄北部は美しい自然があってこその観光地ですから、豊かな自然と美しい海を大切にすることが観光産業の発展、ひいては地域経済の発展に繋がるのだと思います。

人手不足で沖縄の県民所得が上がる!?

沖縄県の県民所得は低い状況の中、地価が上がり物価も上昇しているので生活コストが高くなっています。宮古島では賃貸住宅の家賃が東京レベルにまで上昇しています。県民所得が低い理由はいろいろ考えられますが、第3次産業の比率が高いからとも言われています。

ところが前述したように多数の大規模ホテルがオープンを控え、サンエー浦添西海岸パルコシティ、セブンイレブンのデイリー商品工場、まだ確定ではありませんがコストコの出店計画の可能性もあります。

ホテルは既に人集めに苦戦中

雨後の筍の如くホテルの建設ラッシュの沖縄では、既に人集めに苦戦しているようです。 今年の秋に開業するホテルコレクティブ那覇の総支配人も、従業員確保の難しさに苦戦しているようです。通勤しやすい立地のホテルコレクティブ那覇ですら苦戦しているとは驚きです。

従業員の争奪戦で時給アップ

人手不足に陥ると、雇い主は時給をあげなければなりません。注目したいのはサンエー浦添西海岸パルコシティとセブンイレブンの商品工場ができる浦添市。250の店舗が入るサンエー浦添西海岸パルコシティがオープンすると、数千人規模の新たな雇用が生まれるでしょう。また、セブンイレブンの商品工場の雇用にも注目です。岩手県にセブンイレブンの工場ができた時、トヨタ自動車東日本で働いていた人たちが条件の良いセブンイレブンの工場にかなりの人数が流出したと言われています。また、まだ確定ではありませんがコストコの存在も気になります。コストコは地域の最低賃金を大幅に上回る条件で従業員を募集しますので、コストコが進出した地域の時給が上がると言われています。今後沖縄県内の平均時給はしばらく上昇が続くでしょう。

変に物価が上がって生活し辛くなってしまうのではなく、沖縄の平均年収がUPして欲しいものです。